casa crema

スペイン在住レストランパティシエールのブログです。甘いもの中心に、スペイン料理とたまにパンも。レストランで使えるプロフェッショナルな情報にしたいと思っています!

スペインバル、ピンチョスの定番!サーディンのエンパナーダ (empanada)


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スペイン、特に北部ガリシア州でよく出てくる「エンパナーダ」の作り方を紹介します!何を入れても美味しいので、レストランでは、クリームコロッケと並んで、冷蔵庫のお掃除に使われる一品であり、ほとんどのバルのメニューにある品でもあります。(エンパナーダがいつも残り物で作られているわけでは全くありませんが、日替わりランチに変わった具のエンパナーダがあったら可能性大😚)

 

エンパナーダといえば中南米の半円型の揚げたものを思い浮かべられるかもしれませんが、スペインのエンパナーダは少し違って、大きい鉄板で作り、オーブンで焼いてから切り分けます!生地はイースト入りのパン生地から、薄い生地まで、好みによって何でもありなところはありますが、今回はガリシア地方ならではの、トウモロコシ粉とライ麦粉を使ったより伝統的な生地を紹介します。

 

エンパナーダは3部構成になっています。まず、玉ねぎやピーマンをしっかり炒めた「ソフリット」、生地、そして具です。

※いろいろアドバイスなどあるので是非最後まで読んでから取り掛かってくださいね😺

 

材料 鉄板(53cm×32,5cm)2枚分

ソフリット

玉ねぎ 6,7個

赤パプリカ大 2個

緑パプリカ大 1個

ニンニク 1かけ

トマト 1個

ローリエ 1枚

オリーブオイル 約250ml

塩、胡椒

パプリカ 大2

 

(生地)

薄力粉 320g

ライ麦粉  300g

トウモロコシ粉(コーンフラワー)600g

水 300g

バター 300g

オリーブオイル 100g

白ワイン 50g

卵 4個

塩 10g

 

(具)

サーディン小 約600g

まず、一番時間のかかるソフリットの準備をしましょう。

 

ソフリット

 

玉ねぎとピーマンはジュリエンヌ切り、ニンニクはみじん切り、トマトは1cm角ほどに切ったらたっぷりのオリーブオイル、ローリエを入れてはじめは強火にかけてたまに混ぜます。焦げる直前ぐらいに弱火にしてぐつぐつと煮ます。
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玉ねぎの種類によりますが、1時間ほどでチャプチャプとしてきます。塩コショウ、パプリカで味付けします。
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できたら水分を切って冷まします。f:id:casacrema:20200206002701j:image

 

生地

コーンフラワーは、コーンスターチほど細かくなく、コーングリッツやポレンタほど粗くもない、ライ麦粉と似たザラッとした手触りのトウモロコシの粉です。薄い黄色をしています。


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生地は材料をすべてキッチンエイドに計り入れてドゥフック(名前、調べて今知りました。スペインではフックか、「しっぽ」と言います!)

キッチンエイドの場合は先に液体類を入れた方が混ざりやすいです。
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一つのエンパナーダを作るのには2枚の生地が必要です。底と蓋ですね。

生地を伸ばすときにオーブンシートに挟むと、うち粉で伸ばすよりストレスが減ります。というのも、コーンフラワーライ麦粉が入っているので破れやすいのです。シートが無い場合は、生地の材料に薄力粉を多めに入れて弾力を出し、伸ばすときは捏ねたてよりも少し冷やしたほうが破れにくいです。

 

こんな風にあらかじめ長さを出しておきます。綿棒で伸ばす時間短縮と紙のシワ防止のためです。少し多めの500g弱ぐらいが、ちょうどいいです。足りなくなって生地を継ぎ足すよりは余った生地を切り取っていくほうが奇麗ですし楽です。最終的には400g弱くらいになります。
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背骨みたいにします。
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生地の上にも紙をかぶせて綿棒で均一に伸ばす
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はみ出た部分を切ります。私は、下になる生地は火が通りにくいので心持ち薄く、上は破れないようほんの少し厚めに伸ばします。
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紙にできたシワ部分には生地に線が入って破れやすくなるので、何度か紙を外し、シワをとりながら伸ばしてください。紙に挟んだまま鉄板へ。

(紙を使わず伸ばした場合は鉄板に油を塗っておきましょう。)

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ここで具を乗せたくなるのを具っと我慢して(笑)生地をもう一枚伸ばします(蓋用)!上面の紙を外して再利用できますが、生地が乾くときれいに閉じられなくなるので時間がかかりそうな場合は紙に挟んだままにして新しい紙を使いましょう。

蓋生地も紙をはずさず置いておきます。

底生地の上面の紙をそうっと取り、水気を切って冷めたソフリット(約1kg)を端1cmほど空けて広げます。水分を切らなかったり熱いままだと下の生地がふやけてしまったり乗せる生地とくっつきにくくなりますので注意☝🏼
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サーディンを並べました。
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ムール貝バージョン。(ちょっとケチってしまいました。貝の身が縮むのでもう少し多めがよかったです。)
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一番手軽でかつ人気なのはツナです。

ツナはお鍋でソフリットに混ぜ込む人もいます。あとはタラとレーズン、ひき肉、鶏肉、タコ、ホウレン草とフレッシュチーズ、などなど。

 

蓋生地紙を一枚だけ外し、合わせるようにして乗せます。乗せたらもう一枚の紙も慎重に外します。

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鉄板の外に出た部分の生地はスケッパーで切り落とします。

二枚の生地を閉じます。空けておいた1cmのところにねじってぎゅっと押し付けます。
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焼いてもパイ生地のように巻き戻ってくることはないのでそこまで神経質にならなくて大丈夫です。写真を撮っていたので片手ですが、もう片方の手で紙を少し持ち上げるとやりやすいです。

エンパナーダの中心に1cm程度の穴を一つ空けておきましょう。焼いたときに膨らんで破裂するのを防ぐためです。

これでラップをかけて冷凍することができます。中身が何なのか書いておきましょう。残った生地でサーディンならSなどイニシャルを作って端っこにくっつけることもできます。
オーブンに入れる直前にオリーブオイルを塗ります。
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180℃~200℃で約20分、焼き色がついたら出来上がりです。

 

冷凍した場合は解凍せずに焼いてください。理想は、スチームコンベクションオーブンで160℃で20分間蒸し焼き(コンビネーション。水蒸気量50%)その後ホットエアー(つまり普通のオーブン機能)180℃10分

スチーム機能がなければずっと180℃で大丈夫です。
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出来上がりです!

たっぷりのオリーブオイルでしっかり煮た玉ねぎの甘さが美味しさの秘訣です!

 

ワインとエンパナーダでサッカー観戦すればスペインにいる気分⚽
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